みどりの環境づくりをお手伝い

出会いは、昨年の10月頃に建設業界での友人が突然事務所に訪ねて来られた折、手提げの紙袋から何やらガサゴソと取り出された時である。
てっきり鉢植えの草花の贈り物かと思ったところ、彼は無造作にそれをテーブルの上に縦に立てて置いたのだ。
一瞬土がこぼれ落ちるのではと思ったが、全くそのような気配もなく、プラスチック製の20㎝角、厚さ5㎝のスマートな緑の植栽は、植物面を前面に美しく自立していた。

製造元は、サントリー株式会社のグループ子会社で、屋内外の屋上緑化や壁面緑化事業に「ミドリエ」というブランド名をつけた「サントリーミドリエ株式会社」である。
友人はその施工代理店を始めたところで、当社への販売協力の依頼であった。
従来の植物育成は土壌に植物を根付かせるのが普通であるが、「サントリーミドリエ」では、水と空気のバランスが調和しやすく、緑が繁茂するのに適した「パフカル」という素材を新たに開発した。

「パフカル」は一見するとスポンジ状であるが、一般の保水スポンジとは異なり高さがあっても、吸水性があり、下部から上部までほぼ均一に、水と空気のバランスを保持し続けることができる。
「サントリーミドリエ」では、それに植物を根付かせることに成功し、季節やイベント、お店のリニューアルなどに合わせて、「パフカル」を個別に入れ替えることにより、簡単に植物の種類を変えられるなど、様々な対応を可能にした。
さらに、土壌を利用していないため手入れも簡単で、軽量かつクリーンであり、周囲を汚すこともない。
パフカル栽培は、一般土壌栽培よりも生育スピードもはやく、根付きの生育量も多いという実証データーも得られている。

これまで述べた「パフカル」の特性を活かして、従来平面だけに制約されていた植栽を垂直壁面へと活用領域を大幅に広げ、重量も軽くクリーンであり、大規模な工事も不要で風留を施すだけなので、既存の屋上にも適しているようだ。
このように、屋上緑化や壁面屋内緑化、壁面屋外緑化等のほか、単品の小物は絵画にかわる室内装飾など、インテリアの一部として活用範囲が広く期待される。

最近、街を歩いていると、ビルの壁面等にグリーンのカーテンを見かけるようになってきたが、その多くは良い状態が保たれていないように思う。
ひどいものは枯れかけていることすらある。

やはり土壌栽培による壁面緑化は初期費用もさることながら、メンテナンスが非常に難しいのであろう。
せっかく壁面緑化を取り入れても美しさを維持できないのであれば、逆にイメージを損ねることにもなり、全く勿体無いことである。
是非、「パフカル」の良さを知って取り入れてもらえればと思う。
地域によっては補助金の対象にもなっているので、興味のおありの方は是非ご検討ください。
また、ご質問等ございましたら、何なりと当社にもお寄せくださいますよう。